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インからソースに向かって電流が流れる。この電流の流れる部分をチャンネルと呼び、この場合はN形半導体なのでNチャンネルと呼ばれる。次にソースとゲート間に、逆バイアス(ゲートが(-))になるように電池VGSをつなぐと、ゲー卜付近の電子は反発されて図に示すように空乏層を生じ、しかもこの空乏層は逆バイアス電圧が高くなるほど広がるので、ソース・ドレイン間の電流は制限を受けることになる。このことから、ソース・ゲート間に入力信号電圧を加えることにより、ソース・ドレイン間の電流(出力電流)が変化して、信号の増幅が行えることが分かる。ゲートにN形半導体をチャンネル部にP形半導体(Pチャンネル)を用いるものもある。ソースがトランジスタのエミッタに、ドレインがコレクタに、ゲートがベースに対応している。また、ゲートが二つに分かれていて4本足のものもある。

図4・26はMOS形のFETの基本構造を示したものである。MOSとは上から金属(G電極)、酸化被膜そして半導体があるからで、MetalのM、OxideのO、SemiconductorのSの三層からなっていることからそう名付けられたものである。このようなときに、電極DとSの間にVDSという電圧を加えても、D電極に接続されているN形半導体と、P形の基板の間は逆バイアスになっているので電流は流れない。ところ

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が、金属電極Gにマイナスの電圧VGSを加えると薄い酸化被膜SiO2を通してP形基板に電界が掛かり、P形半導体内の電子がG電極の下に集まってきて、電子が余分になる逆転層ができて、D(ドレーン)とS(ソース)の間にチャンネルができるので、電流を流すことができるようになる。こうして、G(ゲート)に加えられる電圧によってDS間の電流を制御することができることになる。

 

 

 

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