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こう考えると、何かの回路にいろいろな周期的波形を加えたときに、その波形のおのおのの周波数成分が、それにどのように対応するかを別々に求めて、それらを加え合わせる形で全体の効果を求めることができるのである。その場合に必ずしも無限大までの周波数成分を考える必要はない、というよりは、電気回路自身が無限大の周波数成分までを扱うことはできず、その扱う周波数成分の上限は決まってしまうので、有限項のにフーリェ級数でその波形を表すのと同じ効果をもつことになる。この結果、例えば方形はその角の部分に丸みができるとか、あるいは方形の上下辺の部分に若干の波打ちができるとかいう形で、実際の方形波からはひずんだ形となるというような現象が電気回路の特性によって生じることになる。

 

2・16 回路の過渡現象

いま、図2・23のような回路で、スイッチSを閉じたときにはどのような現象が起きるかを見てみよう。この場合、キャパシタCの端子電圧は直ちに電圧Eになるのではなく、図2・23(b)の上に示すようにある時間がかかってEに達する。この現象は数学的には微分を使って説明されるのであるが結果的に示すと、キャパシタの端子電圧vc及び回路を流れる電流iは

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という形で示される。このような現象を過渡現象といい、いろいろな波形を作ったり、処理をするための電子回路ではよく使用されている。

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