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これらの非常灯は、主電源、非常電源及び臨時の非常電源のすべてが喪失したときに、当該非常灯と一体となった蓄電池から自動的に給電でき、かつ、いかなる傾斜状態でも3時間以上照明できるものでなければならない。

又、非常灯と一体となった蓄電池は主電源等により常時充電されることが要求されている。

(必ずしも非常電源からの充電をも要求されない。)

当該非常灯は灯具下端から2.5m直下の床面における照度が2ルクス以上であり、誘導標識の記号又はイラストが15m離れた地点で明瞭に確認できる性能が要求されており、これが灯具の配慮を決定するうえでの1つの目安となるであろう。

これら灯具には方向を示す誘導標識のあるものと無いものがあり、乗客と脱出経路に誘導できるよう適宜方向を示す誘導標識のあるものを配置することになる。

(船舶設備規程第122条の6の2関係)

 

2.7 船内通信装置及び計測制御装置

 

船内通信装置はJIS Fで標準化されたものや各メーカーの標準品があり、出来るだけ船主の要望にそって標準品の採用を考えるべきである。

これら諸装置への給電回路は主配電盤、非常配電盤、通信用分電箱などからそれぞれ単独のものとし、重要性から2重回路とすることも考えるべきである。

計測制御の諸装置は、各メーカーで標準化されているが、採用に際しては船主の要望を満足するものを選定すべきである。これら諸装置への給電回路は2.3に準じて設計すべきである。

近年、殊に計測制御装置には電子機器が多く採用される様になり、従ってノイズの影響を受け易く、現実にノイズによる事故も多く経験されている。

従って、機器の選定に際しては機器の耐ノイズ特性を充分調査する必要がある。

また使用するケーブルの選定及び電路の設定に際してはシールド付ケーブルを採用するとか、他の電路から独立した電路とするなどの考慮も必要になって来る。

 

2.8 航法装置及び無線設備

 

各装置については、機器編に詳細に述べられているのでここでは一般の船に装備される航法装置及び無線装置のうちで装備上注意を要するものなどについて簡単に述べるにとどめる。

(1)ジャイロコンパス

船舶設備規程では総トン数500トン以上の船舶(平水区域を航行区域とするものを除く。)にはジャイロコンパスを装備することを要求している。

なお、総トン数100,000トン以上の船舶には回頭角速度計を備えなければならないが、ジャイロコンパスから入力される回頭角度信号を角速度に変換して指示するものが一般に使用されて

 

 

 

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