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る余裕,運転負荷の大きさ及び自己冷却効果の低速域における低減の程度等について考慮を要する。

(「)PWMの制御の場合,電動機の低速域では高調波のために磁気音が若干発生する傾向がある。

(」)インバータ部では非常に高速でスイッチング動作が行われるので,広い範囲の高調波成分を含有しており,大きな容量のインバータを使用する場合は,インバータが発生する高調波ノイズにより周辺にある計算機や計装機器などの電子装置へ障害を及ぼす恐れがあるので,適切な防止対策について考慮が必要である。

(、)ダイオード,パワートランジスタ等の半導体は,回転機に比べて本質的に熱容量が小さく,過電流耐量が低いので,万一,短絡状態が生じた場合は半導体を保護するために,極く短時間に故障電流を遮断する能力のある速動特性のヒューズを設けることが望ましいが,適当なヒューズが得られないために通常の配線用遮断器を用いる場合には,その遮断特性と協調がとれるよう半導体の過電流耐久特性についても考慮する必要がある。

 

2・8 直流機

 

2・8・1 一般

 

船舶の電気機械は現在では一般に交流化しているので,直流機器の採用の比率は非常に少くなっているが,直流電動機がトルクと速度に於て任意の制御特性を得易いために,石油掘さく船,浚渫船等の特殊装置や,砕氷船,海洋調査船,特殊作業船なとの特殊な制御特性を要する推進装置等に採用される事例がかなり多く見うけられる。

 

2・8・2 直流発電機

 

(1)種類

直流発電機は直流機器の共通電源として使用される定電圧直流発電機と,ワードレオナード制御のように電動機の速度制御の目的で使用される可変電圧直流発電機に用途的な観点から大別されるが,一方励磁電源の取り方を示すものとして,他の直流電源を利用する他励方式と,自分で発生した電圧を利用する自己励磁方式に分けられる。自己励磁方式の場合,さらに,その電流のとり方によって分巻

 

 

 

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