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なることが分かる。船の構造、大きさ、波と風の状況、船速などで船舶雑音の大きさやスペクトルが異なるので船ごとに雑音を測定して最も小さい位置にソナーを取り付けることが望ましい。

 

12.6 電波障害への対策例

 

電気回路の配線はインダクタンスを持ちコイルとなり、大地や基盤との間にコンデンサーを形成する。シールドケーブルからも電波が漏れてアンテナとなる。アース(接地)も抵抗を持ち電圧を発生する。妨害波は種々の経路、周波数、電力、波形、時間、到来方向をもつので総てに有効な対策は困難である。一般的にはシールド線、遮蔽、有効な接地をとるなど機器の設計や製作上で対策をとる場合と、フイルターや信号処理などの部品やソフトにより対策をとる場合とがある。いずれもイミュニティに強い機器とする対策がケースバイケースで取られなければならない。

 

12.6.1 遮蔽(シールド)による対策

(1) 静電シールド-静電誘導を遮蔽するため回路や装置を金属導体板や金網で包む。電源トランスの1次と2次巻き線間に銅箔を挿んで高周波の誘導妨害を減少させるなどの対策が取られている。

(2) 磁気シールド-外部磁界の妨害に対して高透磁率材料のシールドをする。低い周波数の磁気シールドは困難である。

(3) 電磁シールド-電波妨害に対する遮蔽で、高導電率材料が用いられる。高周波になると材料の抵抗が高くなる。また、接続部の影響なども増加する。最近は<図12.6.1>の導電性プラスチックも使用される。

同軸ケーブルの外皮に外皮電流が流れて妨害波が発生する。導波管の継目からも電波が漏れることがあるので高周波でのシールドには注意が必要である。

 

 

 

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