6.4 エンジンテレグラフ(電気式)
6.4.1 概説
電気式のテレグラフは、シンクロ電機又はランプなどを用いた有線式通信装置で、発信器と受信器が離れた場所に相対して設けられ、あらかじめ設定された命令の伝達、応答が簡単な操作でできるものである。
エンジンテレグラフは、船橋と機関室又は制御室の間で主機関の速度に関する命令や応答を連絡するもので、主機関の遠隔操縦装置と関連した複雑な機構を持ったものや、命令、応答及び時間などを自動記録するテレグラフロガーなどが付属したものがある。
船舶設備規程によると、装置の要件は次のとおりである。
(1)国際航海に従事する船舶には、船橋から速力及び推進方向を通常制御する場所に命令を伝達する2の装置を備えなければならず、そのうちの1はエンジンテレグラフでなければならない。
(2)前項の船舶で、通常制御場所以外の場所において速力及び推進方向を制御するものは、船橋及び通常制御場所から当該場所に命令を伝達する装置を備えなければならない。
6.4.2 システム構成
電気式エンジンテレグラフの構成の一例を<図6.4.1>に、外形(JISF 8523-93 のランプ式)の一例を<図6.4.2>に示す。
6.4.3 装備場所
装備場所の一例を次に示す。なお、テレグラフレピータ(指示器)を船橋に装備することもある。
(1)テレグラフ発信器、テレグラフロガー、ブザー:船橋
(2)テレグラフ受信器、ゴング:機関制御室
(3)テレグラフ受信器、ゴング:機側