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遭難信号の発射周波数は、衛星用406MHz、及び航空機の探索用として121.5MHzの2周波が具備されている。これらのほかにインマルサット静止衛星を使用したLバンドEPIRB(1.6GHz)もあるが、現在では極軌道低高度衛星を使用した406MHzシステムがほとんどである。

周波数406MHzのシステムは、コスパス/サーサット(COSPAS/SARSAT)衛星を使用したもので、船舶や救命いかだなどから発射された遭難信号は、衛星を経由して地域利用設備(LUT)に中継され、LUTで解読された無線標識の位置及び船名などを含む情報は、RCCに送られ最適な救助活動が開始される。

遭難信号の発信場所は、ドップラー効果によって求められる距離の交点から求められ、精度は5海里以内である。

なお、衛星EPIRBには浮揚型と非浮揚型とがあるが、船舶に搭載されるものはほとんどが浮揚型である。

 

5.6.2 装備場所

浮揚型の衛星EPIRBを装備する場合は、次の点に留意する。

(1)非常の際に生存艇に運ぶことができる場所に積み付けること。

(船舶救命設備規則第95条)

(2)水深4m以内で作動する自動離脱装置に備え付けられ、かつ、縦傾斜又は横傾斜が45°以内であれば、確実に浮揚するように積み付けること。(船舶検査心得・船舶救命設備規則95.0(a))

 

5.7 レーダー・トランスポンダー

 

5.7.1 概説

捜索・救助用レーダー・トランスポンダー(SART)は、船舶や航空機が海上で遭難あるいはこれに類する人命の安全に係る重大

 

 

 

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