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5.3 MF/HF無線電話

 

5.3.1 概説

MF/HF無線電話は、無線電信とともに最も重要、かつ、普遍的な通信手段である。電波法では、MF帯は300kHzから3,000kHzの電波を、HF帯は3MHzから30MHzの電波を指すが、GMDSSでは海上移動業務に割り当てられた周波数で、MF帯は1,605kHzから4,000kHzまでの電波を、HF帯は4MHzから26.2MHzまでの電波を指す。

 

5.3.2 MF無線電話

MF無線電話は、1948年のSOLAS条約会議で導入が決められて以来、無休聴守のための警急自動受信機やホーミングのための無線方位測定機の導入などによって、遭難救助システムでの遭難通信に重要な役割を果たしてきた。

MF帯の遭難・安全周波数は、2,182kHzと定められており、GMDSSでは海岸局からMF帯での通信可能範囲(150海里)をA2水域と定めている。

 

5.3.3 HF無線電話

HF無線電話は衛星通信が普及するまでは地球の裏側・極地圏との通信も可能な遠距離通信の主流であったが、電離層の状態が時間や季節によって変化するため常時安定した通信回線を確保できないという問題がある。また、周波数によっても、伝搬路が相違するため海上移動業務には、4MHz、6MHz、8MHz、12MHz、16MHz、18MHz、22MHz、25MHzが割り当てられている。

HF帯の遭難・安全周波数は、4,125kHz、6,215kHz、8,291kHz、12,290kHz、16,420kHzと定められており、GMDSSでは、HF無線電話がA3、A4水域の主要な設備の一つとされている。

 

 

 

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