第5章 無線通信装置等
5.1 狭帯域直接印刷電信装置
5.1.1 概説
狭帯域直接印刷電信装置(NBDP)はモールス電信の不便さを解消するための一方式として開発された海上通信システムで、船舶局と海岸局又は船舶局間において、MF/HF帯の周波数を用いて、遭難・安全及び一般(テレックス)通信を目的とした送受信装置である。
NBDPのシステムには、ARQ方式とFEC方式とがあり、通信の目的と用途により、選択して使用される。
NBDPの特長は次のとおりである。
(1)船舶局と海岸局間のテレタイプを陸上テレックス回線に接続できる。
(2)高速度通信ができる。
(3)外国の海岸局と通信ができる。
(4)海岸局を経由して一般加入者のNTTテレックス端末と船舶局との間で通信ができる。
(5)特定局のみ呼出せる選択機能があり、秘話性も高い。
(6)メッセージ伝送の信頼性が高い。
(7)操作が容易で、無人運用が可能である。
(8)通信料金が安い。
5.1.2 システム構成
NBDP装置の構成の一例を<図5.1.1>に示す。