□特に国際的な動向は見られなかった。
第43回NAVの対処方針(警備救難部航行安全課関係分)について
○衝突予防規則の改正(オランダ提案)に関する、文書に表われていない情報、具体的な定義等に関する情報はないか。
△それらに関する情報はない。
◎寄与文書を読むと、35ノット以上の船ではなく、35ノット以上に達した速力で航行している状態の船(be proceeding at a speed of 35knots)と読み取れる。であるから、スピードが落ちてきて35ノットより低くなると高速船に該当しない。
○HSCコードにおいて、高速船は、速力だけでなく、フールド数を含んだ関数によって定義されている。高速船に関しては先行避航の問題がでてくると思うが、造船学的にはそれでもよいが、衝突予防法においては非常に問題である。
◎これはVTSやTSSの問題と同様で、国際予防規則に盛り込まずに、よそからの借り物として国際法に取り込むというやり方で、これは船乗りにとって非常に困るやり方である。
◎原文で「巨大船」は”Large Vessel”となっているが、日本の海交法では”Huge Vessel”という単語を使用しており差違がある。
?本委員会で、対処方針について討議されているが、本委員会で要望があった場合に、 IMOにおいて反映されるのか、それとも本委員会は対処方針発表の場であり、検討の場ではないということなのか。
□本委員会で発表される対処方針は、対応官庁で既にオーソライズされたものであり、本委員会で対処方針と異なった意見・要望があったとしても、それによって対処方針を変更するということは難しい。そのような事項については、業界から対応官庁に直接要望等をあげるべきだと思う。本委員会から派遣される事務局員(鏡)にしても、日本派遣国の一員となり、IMOの対応は運輸本省及び在英日本大使館の方針に沿わざるを得ない。もちろん、本委員会には対応官庁も出席しており、席上での発言・要望等については委員会を通じて対応官庁に反映されると思われる。
○HSCコード等については、世界中においても同じ(問題であるという)意見があると思われる。このような問題が存在しているということを念頭に置いて会議に出席して欲しい。
第43回NAVの対処方針(水路部関係分)について
○簡易ECDISとはどういうものか?
△ECDISよりレベルの低いものである。その下にDCL(簡易電子海図)があり、これは紙海図と併用されなければならない、米英はこのRCDSを紙海図と同等として認めようとしており、我が国はこれに反対している。
第43回NAVの対処方針(灯台部関係分)について
○インドネシア文書におけるシーレーンとは?
△これは群島航路帯を指すものと理解している。
○(英国の航路標識の動向に関連して)日本の動向は如何?
△北海道・北九州デッカチェーンが現在でも存続しており、北海道はロシアのチャイカチェーンとのリンクを、また北九州チェーンについてはディファレンシャルGPSの整備状況を勘案し、利用者と相談しながら廃止を検討する。ラジオビーコンについてはディファレンシャルGPS情報を乗ることとしており、廃止の検討はされていない。
その他
○漁船に関しては、当初SOLAS条約の適用がない方向であったものが、国内法にされた時点で、漁船も商船も1本化となり、GMDSSもこれと同様である。AISについては高価なものであり、また漁労に関するデータが外部に漏れるということがあり支障が大きいので、漁船に対してなるべく負担のかからない努力をして欲しい。