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? 条約船による2,182KHz及びVHF16Chの聴取義務

ギリシャ文書(MSC68/8/3)、スウェーデン文書(MSC68/8/4)、及びICS文書(MSC68/8/5)の紹介の後、非条約船は依然16Chが使用され続けていることから、これらの救済のためにも聴取は続けるべき(ウクライナ、メキシコ、サイプラス、ICE、ペルー、独、ICFTU)、聴取を継続したところで新たな費用負担はない(ドイツ、ICE)との意見が相次いだ。これに対し、条約船に対する聴取の義務づけは中止するが、海岸局での聴取は継続(蘭、韓)、条約船への義務づけは地域により対応が分かれることを許容しても良い(蘭)、非条約船の扱いはこれとは別に扱われるべき(デンマーク)との意見が出されたが、結局16Chについては1992年2月1日以降も、条約船は聴取義務を負うことを決議し、ITUWRC-97に対し、この決定を送付すること、聴取終了の日付については、改めてCOMSARで検討すること、と議長が集約した。また併せて、この措置が主に非条約船の救済のためにとられるものであることを考慮し、非条約船の今後の扱いについてもCOMSARで検討することとなった。なお、2,182KHzの条約船による聴取義務については、特段の異論なく1999年2月1日での聴取義務終了が決定された。

? GMDSS設備の性能基準の明確化

蘭、ノルウェー、CIRM、インマルサットから、技術的な点についての内容を修正したい旨の提案が行われたことから、これを検討するため再度COMSARに差し戻すことになった。

? GMDSS設備の性能基準の改正に関する決議案

ギリシャ文書(MSC68/8/8)の紹介の後、まずGMDSSに完全移行することが先決(メキシコ、露)との意見が出され、議長より、性能基準の一連の改正の影響に対する懸念は一般的なものとなっているとの認識が示されたが、一方COMSAR議長から、誤警報の問題は非常に深刻で、早急な対処が必要との指摘があり(これに米、ICSが支持)、この結果、今回の改正については承認するものの、今後の性能基準の見直しに際しては、明確かつ強い理由が必要であるとした。

? インマルサットの機構改革

米文書(MSC/68/8/1)紹介の後、インマルサットから今回の機構改革の背景説明と、5月のインマルサット理事会の検討結果(条約改正案に対する意見が統一できず、インマルサット総会に対し、報告書を提出しないとしているが、未だ流動的。)についての説明があった。これに対し、米文書の措置を支持(メキシコ、ペルー、ノルウェー)、GMDSSの提供継続に関する十分な情報の提供をインマルサットに求めるべき(日)等の意見が出され、いずれにせよIMOにおいてもインマルサット機構改革については検討、意見を述べる時であるとの雰囲気となった。ただし、これを検討する機会については、次回MSCでの検討では、本年の10月のインマルサット総会に間に

 

 

 

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