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2.順中逆西における問題点と対応(案)

?航路出入り口付近における船舶の交差南流時において、航路出入り口付近で東航船・西航船の針路が交差し、操船上の負担が大きいとの指摘があり、衝突海難等の発生もみられる。交差は、南流時に通常の右側通航と正反対の左側通航を行うこととなる順中逆西の航法に起因するものである。

 

対応1:来島マーチスの利用

航路出入り口付近に至る前の適切な時期に、来島マーチスの提供する航路および航行船の状況等の情報を入手することにより、航路口付近での針路交差の可能性を予測し、状況が許す限り危険を回避できるような操船計画を検討する。

なお、来島マーチスでは、危険な交差(見合い)が予測される場合は、当該船舶に対して注意の喚起を行っている。

 

対応2:警戒水域の設定またはブイの設置など

航路への整流を図る、アプローチとなる一定の水域を警戒水域(Precautionary Area)に指定し、この水域内において右側通航から左側通航に移行する方法が考えられる。

航路出入り口付近へのブイの設置による右側通航から左側通航への移行方法も検討課題であるとの操船者に対するアンケート調査での意見も踏まえて、航行援助方式について、例えば、航行援助施設の適切な位置、方法等も含めて検討していくことが望まれる。

 

?転流時等の行会いの発生

中水道または西水道を航行している間に転流があった場合は、水道内で行会いが発生する。特に西水道では水道の屈曲により見通しが悪く、行会い船どうしあるいは陸岸への接近等の危険が発生する。この問題も?と同様、潮流の向きにより航行する水道が変わるという順中逆西の航法に起因するものである。

 

対応:来島マーチスの利用

来島マーチスの提供する情報サービスを有効に利用することにより、行会い船の有無や航路の状況を事前に確認することができる。通航船舶が位置通報を行うことにより、来島マーチスでは危険な見合い関係や危険な海域への接近が予測される場合、当該船舶に注意喚起を行うことが可能となる。

また、来島マーチスでは航路通報ないし位置通報時に、必要に応じて航法の周知、航行すべき水道について指導している。

 

 

 

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