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この信号装置の発音間隔は火薬(放出薬、延時薬等、図-6参照)への着火時間差を利用している。即ち、図-4に示すように信号弾が一定の高さに上がると、放出薬により2個の発音カプセルが任意の方向に放出され、延時薬により一定の時間間隔で発音するようになっている。従って、火薬への着火時間のバラツキの他、飛翔方向、放出された発音カプセルの方向や高さによって、計測点(見学場所)との距離が変化し、音の到達時間に差が出てくることにより、計測された発音間隔にある程度のバラツキが生じるのはやむを得ない。

宮古市での結果を見ると、1発2点の発音間隔は概ね1秒間隔となっているが、第1弾と第2弾の間隔と、第2弾と第3弾の間隔の差は大きく、感覚的にもはっきり認識できるほどであった。

さらに、沼津市ではバラツキが大きく、後述する本章・2・アンケート間3でも「音の間隔が疎らである。想定どおりのパターンになっていない」という意見も寄せられた。

 

(4)飛翔状況等

第2章で述べたように各公開実験とも18個の信号弾を打上げたが、それらの飛翔状況及び落下傘での落下状況について述べる。

? 飛翔状況

宮古市では地上での最大瞬間風速が約10m/sの強い風であったが、18個の信号弾は概ね真っすぐ(風の影響で少し流される)、ほぼ同じ高さまで飛翔し良好であった。沼津市では十数ミリの雨でかつ最大瞬間風速 6.5〜8.5m/sの気象条件であったが、宮古市同様良好な飛翔状況であった。

この結果、10 m/sの風、15mm/hの雨の中でも、打上げは十分可能であることが実証されたと考えられる。

(注)本装置は、雨に濡れても発射に影響かないように、十分な水密構造となっている。大雨のときは発射装置(筐体部)に雨水が溜まらないように留意することが望ましい。

? 落下状況

宮古市では18発の内1発は開傘しなかったが、他の17発は開傘し、打上場所から400〜500m沖合の海上のほぼ同じ場所(半径約50mの範囲)に落下した。落下時間(開傘から着地・着水まで)は57〜65秒であった。

沼津市では18発が全て開傘し、打上場所から 200〜 300m沖合の海上のほぼ同じ場所に落下した。落下時間は52〜55秒であった。

(注)海上に落下した落下傘は可能なかぎり回収船で回収した

 

 

 

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