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海上用DGPS

米国コーストガードはSPSユーザーの測位精度を向上させるため、1983年に「海上無線技術委員会、第104特別委員会(RTCM-SC104)」を設置し、関係機関の協力を得ながらDGPSの実験を繰り返し、その成果をDCPS補正情報の伝達基準「RTCM-SC104」第1版として1985年に公表した。この伝達基準は現在第2.1版に改訂されており、各国はこの2.1版の内容に沿った技術基準でDCPSの整備を進めているようである。

 

ITU-R勧告

国際電気通信連合(ITU)は「RTCM-SC104」をベースに、海上ユーザーには世界の沿岸海域の多くをカバーしている中波無線標識局からDGPSをサービスする内容のITU-R勧告Μ823-1をロシアのGLONASSへの対応も含めた形で1996年に発表した。

勧告内容は搬送周波数、周波数偏差、放送メッセージの各パラメーターおよびビット配列、変調方式、受信機の性能基準等細部にわたる技術基準が勧告されており、「RTCM-SC104」の全世界共通版といった内容であり、その中のメッセージタイプを表2に示す。

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世界の状況

パリに本部を置く国際航路標識協会(IALA)では狭水道等の危険海域での無線航行援助には誤差が5〜10m以下の高い精度を要求している。

また米国国防総省が公表しているGPSユーザーガイドには「地球の約63%の地域でのGPSユーザーは、衛星の障害発生時は可視内にあっても最大6時間、平均的には約3時間にわたり利用出来ない場合がある」と説明されている。

 

 

 

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