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4. 航行船の横変位検出精度について

 

4.1 2本の位置の線の交わりによる船位誤差

自船と目標との間の位置関係要素(方位や距離等)の観測では、定誤差(Constant Error)と偶然誤差(Random Error)が含まれる。このうち定誤差の部分は除去することが可能であるので、残る偶然誤差が位置の線や船位に及ばす影響について考察する。

偶然誤差の分布は正規分布になるとされ、確率密度pを式で表すと次のようになる。

137-1.gif

 

137-2.gif

ここでσは標準誤差(Standard Error)、xは誤差である。

2本の位置の線の交わりにより求められる位置の精度は、50%確率の範囲を表す中央誤差圏や、95%確率の範囲を表す誤差界により示される。例えば中央誤差圏を図示すれば次のような楕円になる。

137-3.gif

ここで

a:中央誤差圏楕円の主半径(長軸)

ax:1本目の位置の線上の共軛半径

rx:1本目の位置の線の中央誤差

θ:2本の位置の線の交角

b:中央誤差圏楕円の主半径(短軸)

ay:2本目の位置の線上の共軛半径

ry:2本目の位置の線の中央誤差

ω:主軸の回転角

である。そして共軛半径、主半径そして主軸の回転角は次の式で求められる。

 

 

 

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