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石油開発が活発化し、現状より水深の深い海域での石油掘削を求められてきていること売や、ABS(米国船級協会)、DNV(ノルウェー船級協会)等による掘削船の船級検査、掘削機器の型式承認や検査、安全管理サービス等のPRについては、センターが推進する深海掘削船の研究開発の中で最も重要な要決定事項であった安全・環境保護管理システムに関する情報を入手することができた。さらに、最近、メキシコ湾や北海でのもあり、大水深掘削技術に関する機器の展示を見ることができた。商業用ではあるが、石油掘削関連機器の実物を間近に見られたことは、我々の深海掘削船の研究開発にとっても非常に有益な情報であった。詳細については第2.1項で述べる。

また、論文発表は49のテーマについて、アストロホールの7つのセミナー室において半日セッションが行われ、発表件数は245件(昨年度274件)であった。それらの発表内容は、実際に石油生産されている鉱区の報告から、プロジェクト設計、掘削・生産、オペレーション、安全管理等に関する技術テーマまで、海底石油開発に関わる全ての側面を網羅し、その中でも、信頼性・安全管理に関する発表、3次元地層探査に関連した発表等が注目された。また、ODPからは、Leg164でのガスハイドレードに関する研究報告のセッションが行われた。ゼネラル・セッションとしては、現在活発になりつつある石油開発動向について討論された。興味深い論文が多数発表されたが、同時に7つのセッションが開催されたため、各参加者はそれぞれ分担して、各自の専門分野の関心のあるテーマのセッションを聴講した。詳細については第2.2項で述べる。

OTCは、各地で盛んに開催されている自動車ショー、ボート・ショー等一般大衆を対象にした国際見本市とは異なり、石油開発という単一の産業界の見本市であり、主な参加者も業界関係者であるが、それにもかかわらず世界各地から多数の関係者を集客できるのは、ヒューストンが石油開発業界のメッカであり、このOTCが、石油開発に関わる最新の技術開発動向の情報を得たり、石油掘削・生産オペレーター、コントラクターや掘削機器製造メーカーの間で契約、購入商談を行う最良の機会であることが感じられた。

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