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シンクロリフトの支持構造は、桟橋あるいは岸壁である。従って、例えば既設の桟橋や岸壁を利用して構築する場合には、設備設置前には既存の構造をよく調査する必要があり、また設置後も悪影響が生しているか否か調査する必要がある。

電動ホイストを支持する構造でよく用いられるのは桟橋構造であるが、桟橋形式にすることで海水の流れが自由になる。このことは特にプラットフォームの昇降を円滑にするためには重要な要因となる。

また、この桟橋の形状は、桟橋の使い方によるところが大きく、例えば、ウインチだけを支持する場合、あるいは岸壁と結合する場合、また、クレーンを隣接する場合等が考えられる。通常、電気,圧縮空気,ガス,酸素等のサービスラインは桟橋の下に布設されるが、サービスギャラリーを設けて布設することもある。

シンクロリフトの支持構造の例を図17〜21に挙げる。

プラットフォームに載荷される船荷重は、電動ホイストから鋼杭あるいはコンクリート杭を通じて地盤に伝達される。杭の配置は、縦断方向に等分に配置される場合や、電動ホイスト付近にまとめて配置する場合が考えられる。等分に配置する場合には、杭に均等に荷重が伝達されるようフーチングには十分な剛性が必要となる。また、電動ホイスト付近に配置する場合には杭に確実に荷重が伝達されるような抗配置、フーチング形状としなければならない。

プラットフォーム横断方向の主桁は、シンクロリフトの幅より少し長くなっている。その部分は桁の滑車を固定するためのもので、張り出した部分の長さは、一般的にはウィンチが稼働するために設けられた桟橋の切欠き部に一致する。

プラットフォームの下は泥で埋まることが予想される。そのような場合には、ウォータージェットで清掃することが可能である。また、プラットフォーム下の海底の保護には、敷石,蛇篭あるいはブレキャストコンクリート版等が考えられる。

桟橋の鋼部材、例えば鋼杭,アンカーボルト,電動ホイストのワイヤーロープ等の種々な部分は防食する必要がある。

プラットフォームの故障を避けるためと水平方向の変位を避けるため、両側のウィンチの設置は正確に行う必要がある。

 

 

 

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