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ベトナム

 

ベトナム造船産業

 

? 概要

 

?-1 政府の現行開発政策とその方向

 

2000年に向けたベトナムの総合的経済発展戦略は4方向にその重点を置いている。

(1)近代化と工業化に不可欠な、労働力の動員。

(2)国の科学技術水準を引き上げ、最新の技術を情報、バイオ、原料の分野に適用。

(3)発電所、上下水道、郵便、電気通信等、あらゆる部門のインフラ構築を強化。

(4)市場経済にふさわしい法制の整備。

 

?-2 運輸省が策定した2010年までの輸送部門開発戦略は以下の通り。

 

a.輸送インフラを先進国と同等の水準にまで充実させる。

b.輸送インフラの管理運用のため強力かつ有効な制度を確立する。

c.輸送分野における各層の人員を対象に、各種の研修課程を設ける。

内陸水上輸送の改善努力は、北部および南部デルタ地帯の主要水路に集中される。

河川用船舶も、動力ベースで2〜5倍に強化する。

海上輸送に関する現行政策は、以下に重点を置いている。

―東南アジアおよび東北アジアからの船舶を誘致できるような中継港を開設すると共に、航洋船向けの港湾も建設する。

―港湾の貨物取扱量を現在の20百万トンから2000年までに50〜156百万トン、2010〜20年までに93〜678百万トンに拡大できるように、荷役能力を増強する。

―商船隊の規模を現在の800,000DWTから2000年までに2百万トン、2010〜20年までに11〜20百万DWTに拡大する。

―10,000〜50,000DWT級の船舶の新造、50,000DWT級からVLCCまでの修繕が可能な水準にまで造船業を拡充する。

 

I-3 その他の海事関連の政策外洋漁業

 

ベトナム政府は1997年の投資計画として、l00〜600馬力の機関を搭載した外洋漁船300隻を建造するために4千億ベトナム・ドル(約36百万米ドル)の投入を承認した。この制度の下で漁船建造に投資する漁民は、月利わずか0.81%、5年償還の銀行融資を受けることができる。

上記以外では、ベトナム首相令により、国内造船所で建造可能な種類の船舶に適用される輸入制限が課せられている。

 

 

 

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