1.4 部品の洗浄
洗浄が悪いと,十分な点検が出来ないのみならず,組立試運転時に思わぬトラブルが発生することが有るので,入念に実施する必要がある。
1) 燃焼カーボン落し
シリンダヘッド,ピストン,吸排気弁,燃焼室,過給機等燃焼ガスにさらされる部分にはカーボンが固着しており,除去しなければならない。カーボンの除去には,市販のカーボン除去剤を使用するのが能率的である。これは予熱した浴槽に3〜4時間浸漬させカーボンを軟らかくして除去するもので,使用方法を誤らないよう注意が必要である。
2) 一般部品の洗浄
大きな整備工場では,自動洗浄機を使用しているが,一般には循環式の洗浄槽又は洗い桶を使用し,洗い油で手作業により洗浄する。
尚,機関の外部は通常スチームクリーナなどを使用して洗浄する。
3) 冷却器などの洗浄
潤滑油冷却器,空気冷却器,清水冷却器など複雑な形状の部品は,浴槽内に入れて市販の洗剤に浸漬させた後スチームクリーナなどで洗浄するか,又は,洗剤を溶かした洗浄液をポンプにより循環させた後,管などは2・36図のようなナイロンブラシを使用して汚れを落とすなど,いろんな方法を組み合わせて洗浄する。