然それぞれに対応する危険速度が存在する。しかし多くの場合は最も低い横振動数に対応する危険速度のみが問題となる。この現象で注意しなければならないのは,この現象は力学的不安定現象であり,振動に減衰を与えれば防止できるとか,危険速度でのふれまわりを小さくおさえることは本質的に不可能である。軸にのっている,質量を減ずる,ベアリング間隔を短くする,軸の曲げ岡け性を大きくする,すなわち軸を大くするなどの系の振動特性を代えてfLの値,したがってncの値を変更する以外にこの現象から逃れる方法はないことである。
なお,数値例として, l=1,800 mm,M=5.0 kg,軸径d=30 mmの場合を考えると,I=3.97×104 mm4となるから, E=2.06×105N/mm2を用いると, K=67.4N/mmであり,p=1161/sすなわちnc=1109 rpmとなる。