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という意見が少なかったことからも、その点が気になるところであると思われる。現在の人々の心理では、よほど自分にとっての利点が見えなければなかなか自らの金を寄付する気にはならないようである。地球温暖化抑制の対策は打つべきだとは考えている。しかしこの基金への寄付が具体的にどのような使途に使われていくのか、さらにそれが自分(拠出者)にとって何らかの見返りになることが見えなければ、人々が寄付をするインセンティブにはならない。

 

ボランタリー基金の創立については、大いに賛成と賛成をあわせて54.8%、どちらとも言えないが40%を占める。また拠出の意向については、大いに賛成と賛成の人のうち、6%が拠出したい、87%は基金の使途によって拠出するかどうかを決めるとしている。設立に賛成している人にとっても、この基金の使われ方、すなわち、自分にとってどれだけのメリット(見返り)があるかが、拠出行動に影響を与えるポイントになるであろう。エコ定期券のようなアイディアはこの観点からは受け入れられやすいものとみることができる。

 

実際の設立・運営にあたっては、この点を十分考慮したアイディアを採用し、一般の人がボランタリー基金のイメージをつかみやすいような工夫を施して、広く人々にアピールしていくことが重要な点のひとつである。

 

 

 

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