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資料

 

資料1. 駅におけるエレベーターの設置事例

 

1.1 東日本旅客鉄道(株)・四谷駅

JR東日本と日立製作所とが共同開発した鉄道駅舎向け小型エレベーターであり、平成7年12月から使用されている。

従来の標準型エレベーターに比べ、次の点が改良されている。

(1)省スペース化

昇降路の小型化及び駆動装置を昇降路内に設置したこと等により、機械室を含めた設置スペースが従来の1/3となり、ラッシュ時の混雑助長が緩和される。

(2)駅構造への配慮

ピットやオーバーヘッドを狭めたことにより、ホーム下やホーム上屋への当たり(改造)が少なくてすむ。また小型軽量化により、構造強化(改造)が必要ないか、少なくてすむ。

(3)ローコスト化

ピットを狭めたこと、外装を簡素化したこと、シャフトを自立化したこと等により構造物の改造工事が低減でき、設置総工事費が大幅に削減できる。

(4)工事の簡素化

工場の組み立て、現場にはユニット搬入することができ、昇降路現場施工が必要なくなる。また駅舎構造物の改造工事の低減により従来の工事期間の1/3で完成することができる。これにより工事期間中の旅客への悪影響も緩和されるほか、幅狭のホーム上の安全性も大幅に向上する。

(5)省エネルギー性

従来に設置するエレベーターは油圧式が主流であったが、本エレベーターはロープトラション方式を採用したこと、及び低速化を図ったことにより駆動動力を1/10と大幅に押さえている。

(6)乗降の安全性

かご内で車いすを転回することなく、前向きに乗降できるよう出入口を2カ所にするほか、出入口幅を拡幅し乗りやすくしている。また、かごとの隙間が狭まれており、車いすの前輪が落輪しにくい構造となっている。

(7)視覚障害者への対応

エレベーターのドアの開閉方向を知らせる音声案内装置を設けている。また、操作スイッチには点字ブロックを設ける等、視覚障害者に配慮している。

(8)かご室内閉じこめ防止

エレベーターやその操作に何らかの異常を生じ、かご室内で利用者が閉じこめられた場合の防止策としてかご室内に閉じ込め検知装置は設置されており、異常時に連絡のとれない障害者がエレベーター内に長時間閉じ込められる危険性がなくなるよう配慮されている。

 

 

 

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