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第2章 サインのわかりやすさに関する基礎実験

 

第1節 視覚案内の視認性の実験

 

本研究では、ビジュアル・サインの視認性に関しての種々の実情を知るために、横浜市福祉局の協力を得て、高齢者による基礎的な実験を行った。その際、本委員会の委員・幹事にも被験者としてご協力いただいた。

この節では、その実験の概要と実験結果をまとめる。

 

1. 実験の概要

 

1-1 実験目的

 

この実験は、ターミナル駅でビジュアル・サインを掲出する際に、どの程度の視力をモデルとした設計を行えばよいのかのアウトラインをつかむため、被験者が日常サインを利用する場合の視力である両眼矯正視力を測定し、その視力による、表示文字の文字高と視認距離の関係をつかむことを目的としている。

 

1-2 実験方法

 

1) 被験者の両眼嬌正視力を測る。

2) 被験者に、仮設した遠距離視認型の吊下型サインを見てもらう(図1、図2、図3参照)。サインは、図2のように内照式、外照式、ノセ文字、ヌキ文字の組み合わせで4種類ある。被験者が文字をはっきり見ることができると感じた地点の距離を視認距離として記録者が記録する。さらに、それぞれの見やすさ・見づらさに関して被験者からコメントをもらい、4種類を心理的にも比較してもらう。

3) 被験者に、仮設した近距離(0〜3m程度)視認型の案内サインを見てもらう(図4参照)。サインはB1判縦位置で、表1のような文字の大きさ及び文字色の組み合わせで3種類ある。それぞれの見やすさ・見づらさに関して被験者からコメントをもらう。

 

1-3 実験日及び実験場所

 

平成9年10月2日 横浜市営地下鉄横浜駅B1Fコンコースにて

 

1-4 被験者データ

 

被験者の平均年齢、平均視力は以下のとおりである。

035-1.gif

また、今回の実験の被験者の視力毎の人数の内訳と、年齢と視力の関係をそれぞれ図5、図6に示す。

 

 

 

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