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? すべての人に乗りやすいバス

ベター・モビリティ・フォー・オール。移動制約者にやさしく、一般の人にももちろんやさしいということが大前提です。しかも環境にやさしいということです。停車時間が少なくてすむと道路渋滞の緩和にも効果があります。何よりも重要なことはメインストリーム交通の実現です。既存交通で障害者の外出を保障するところにノンステップバスの極めて重要な位置づけがなされています。メインストリームというのはアメリカで発生した言葉で本流という意味です。つまり既存の鉄道やバスにだれもが乗れるようにするというのがアメリカの理念です。そういったことにアメリカはかなり頑張ってきました。

? 技術的な課題

図-9はEUの固定装置です。車いす使用者はローフロアバスをあまり多くは使わないだろうと最初思っていたが使い始めたということです。

高い床のミニバンは車いす固定装置をつけることが欧州では原則となっています。EUのノンステップバスは固定装置をつけないで安全対策を検討しています。それは2点ほどあります。ひとつは車いすを進行方向に対して後ろ向きということ。もうひとつは背もたれ、ショックアブソーバーみたいなものをつけることです。

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進行方向に対して車いすの人は反対方向を向きます。ブレーキをかけるときのショックを防ぐ装置が頭の後ろにあります。これが果していいのかどうか。欧州の固定装置が遅れているのかどうか。つけないと事故が発生したときにかなり問題が大きいのかなと思いますが、やや疑問を感じます(写真-11)。

 

 

 

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