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神奈川県の統計から、 秋の休日でございますけれども、 1日あたりの入り込み客数を試算しますと、 1日あたり約2万5千人の来訪者が訪れております。 先ほど述べてませんけれども、 この地域の居住人口が約4万6千人でございますので、 居住人口の50%程度の来訪者が訪れているということです。 従いまして、 観光行動圏、 あるいは生活活動圏というのが重複しておりまして、 特に休日でございますけれども、 交通関係が非常に厳しいといった状況にございます。

観光都市であり生活都市、 いわゆる住宅都市でございますので、 だいぶ幹線道路からいわゆる裏道と言われる生活道路まで非常に車が入って来ておりますので、 既に住んでる方達の許容限度、 あるいは需要限度を非常に超えているといったような事で非常にトラブルも出てきております。 また、 今日はお見せできませんが、 1ページにもちょっとありますけれども、 この地域の道路ネットワークは、 今小路ですとかあるいは小町大路という道路がありますが、 このネットワークは、 ほぼ中世のネットワークを踏襲しておりまして、 いわゆる中世の頃は鎌倉城と言われるように、 外敵から街を守るのは非常に好都合な都市構造でしたけども、 現代の車中心の社会から見ますと、 非常に不向きなネットワークを持った都市構造になって来ております。 そして、 この問題の改善にあたりまして平成5年から、 交通専門委員、 学識の方も含めまして検討をいろいろ重ねて来ております。 その中で、 基本的な交通需要管理。 いわゆるTDMをベースとしていくといったことが望ましいんではないかというような基本的な方向が示されておりました。 その中で、 平成7年の7月に、 2ページの中段くらいにありますけれども、 市民、 商業者あるいは交通事業者、 警察、 それと国、 県と学識者も含めました方々で構成した鎌倉地域交通計画研究会というものを発足しております。 この研究会につきましては、 ほとんど市民の方々が主体といったことで、 特に学識者を除きますと警察関係、 あるいは国、 県といった関係者が一人づつ入ってるくらいの形でございます。 そしてだいぶいろいろ議論がございまいして、 最初の頃はやはり道路を造るんだと、 道路を造らなければ、 なかなか改善できないだろうといったようなお話から進んで来ましたけれども、 だいぶお話をさせていただいたり、 外国の事例をお見せする中で、 やはり鎌倉の都市にあったような交通というものをどういうものかといったような中から、 昨年の5月に提言書が出されておりまして、 4ページの右側に小さく載ってますけれども、 その提言書の中では市民自ら、 市民宣言 (案) を出しております。 市民自らが自動車利用を自粛し、 徒歩と公共交通を中心とする交通環境を作り、 古都鎌倉の歴史的遺産、 あるいは風土を生かした新しい街づくりを進めるといった市民宣言 (案) が出されております。 この市民宣言 (案) につきましては現在この地域だけではございませんので各地域でいろいろご説明しながら市民宣言というものを作っていきたいというふうに今取り組んでおります。

 

 

 

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