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低公害車は、実利性のみならず、環境改善のための啓発的なシンボルという位置づけもあろうかと思います。この普及によって、市民生活のなかで環境にやさしいライフスタイルが拡がるという期待がもてるかもしれません。そういう意味では、低公害車のシンボル性も、考えておかなければならない要素の一つだろうと思います。

現在の導入状況と技術開発上の課題、技術開発以外の課題を、車種ごとにまとめてみたものです。いずれも、まだまだ大きな課題を抱えているのが現状です。こうした課題を解決するには、私どもだけでなく、官民共同で積極的に取り組む必要があろうと思っております。そして、最終的には市場原理のもとで普及する条件を整える必要がございます。いまはまだ、それには遠いのが実情で、したがって育成といった観点での政策的な措置も必要ではないかということで、いろいろお願いをしているところでございます。

低公害車も大量に普及しなければ、地球環境なり都市環境の改善に結びつきません。それには、お客さまに買っていただける車――性能面、価格面でも従来燃料車に太刀打ちできる車の開発が、私どもの使命であると考えて努力を重ねているところです。皆様のご理解をいただければ幸いでございます。

 

 

 

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