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主催者あいさつ

 

交通安全と環境問題を考える

みやぎシンポジウム実行委員会

 

代表委員東北大学教授長谷川公一

 

本シンポジウムの主催者の交通安全と環境問題を考える宮城シンポジウム実行委員会を代表いたしまして、ひとことご挨拶申し上げます。

本日は、大変月末のお忙しい所を多数ご参集いただきましてありがとうございます。

ひとこと私どものこのシンポジウムを開催するにあたっての問題意識を少しご紹介させていただきまして、挨拶に代えさせていただきたいと思います。

このシンポジウムは、交通安全と環境問題という二つをシンポジウムの柱としております。

自動車交通ということを考えますと、20世紀の定義の仕方の一つの定義というのは、20世紀というのは自動車の世紀だったのではないかと思います。

といいますのは、実用的なガソリン自動車が発明されましたのは19世紀の末1886年でありまして、いわゆるT型フォードという世界初の量産車が発売を開始したのが1908年ということになります。

現在では、世界中に約58億の人々が住んでいますが、車は、6億台あるというふうにいわれています。いわばアジア、アフリカを含めまして10人に1人が1台の車を持っているという勘定になります。

その大変便利な自動車は、ある意味ではステイタスシンボルでかつてはありましたし、いまでも私たちの移動の自由とか行動の自由、そういう意味の大変便利な道具でありシンボルであると思います。

20世紀の文明というのは、大量生産、大量消費、いわば便利さ、快適さを追及してきたと思うんですけれども、良かれ悪しかれですね、この象徴的なものの一つが自動車ではないかと。他方、この自動車というのは、もう一つ残念な負の側面といたしまして、交通安全と環境問題ということを突き付けているのではないでしょうか。

今回は、自動車の便利さの反面にあるネガティブな負の問題としての交通安全と環境問題というのを考えていきたい、しかもこういう環境問題や交通安全の問題を考える時に、これからはパートナーシップといういい方、あるいは、私はコラブレイションといういい方をしているんですけれども、行政と企業、ないしは事業者、それからそこに働く労働者、また、その私たち研究者といいますか専門家ですね、それから市民、これらの人々が、いわば

 

 

 

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