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・ 米州:1996年の米州の国際観光は、国際観光客到着数(対前年比4.3%増の1億1,560万人)、国際観光収入(同6.1%増の1,063億3,000万米ドル)とも大幅な伸びを示した。米州の国際観光が好調だったのは、主に、北米の経済成長が順調だったことによる。また、メキシコなど数力国が実施した広範な経済政策によりこれらの国々の経済が回復したことも、米州の国際観光にブラスの影響を与えた。米州への旅行者の増加数のうち、実に72%が北米からの旅行者が占めていることは、特筆に値する。国際観光収入に関しても、増加分の77%が北米からの旅行者による支出額で占められている。

・ カリブ海地域の国際観光は、1996年前半(冬季)は好調な滑り出しを見せたが、後半になり伸びが鈍った。後半に来訪者が減ったのには、近代オリンピック開催100周年を迎えたアトランタ・オリンピックが米国で開催されたことが大きく影響していると見られる。カリブ海地域への旅行を取りやめてオリンピックを見に出かけた外国人やオリンピックを見るため国内に留まった米国人が少なからずいたと考えられるからである。1995年のハリケーンによる被害とその報道の影響がまだ残っている国もいくつかある。また、米大統領選前の数カ月間、米国人の外国旅行者数が伸びなかったこともカリブ海地域の国際観光に影響を与えた。しかしながら、1996年全体(暫定値)では国際観光客到着数、国際観光収入ともわずかながら伸びを見せた。

・ 南米の国際観光は、国際観光客到着数(対前年比4.9%増の1,440万人)、国際観光収入(同4.9%増の113億7,800万米ドル)とも伸びを記録した。これらの伸び率は、十分に大きいといえるが、それでもここ数年の伸び率と比べると落ちている。南米の国際観光の米州地域全体に占めるシェアは、前年と変わっていない。

・ 中米は、国際観光客到着数、国際観光収入とも米州地域内で最も伸び率が低かった。

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