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地域別概況

 

・ アフリカ:1996年のアフリカの国際観光客到着数は対前年比2.9%増の約1,960万人、国際観光収入は同9.2%増の76億2,100万米ドルであった。これらの伸び率は1992年の伸び率に比べるとまだかなり低いが、これは欧州市場の回復が遅いこととアフリカの多くの国で政治・経済状況が不安定であることが影響している。また、インフラ整備に対する設備投資が不十分なこと、慢性的に交通手段が不足していること、観光宣伝予算が不十分なこと、一部の国において観光に対する政治的理解が不足していることもアフリカの国際観光発展にとってマイナス要素となっている。

・ 東部アフリカはアフリカで最高の伸び率(到着数は対前年比9.0%増、観光収入は同13.4%増)を記録した。これは、ケニヤへの観光客が回復したこととインド洋諸島やザンビア、ジンバブエなどの成熟した旅行目的地への観光客が順調に伸びたことがプラスに働いたためである。

・ 南部アフリカは、アフリカにおける伸び率第1位の地位を明け渡した。これは主に、南アフリカ国内の旅行の安全性を疑問視する外国人が増え、同国への旅行者が伸び悩んだことによる。

・ 北部アフリカヘの国際観光客到着数は、主にチュニジアとアルジェリアヘの旅行者が減少したことにより、1995年のマイナス成長に続き、対前年比0.8%減少し、700万人強となった。しかし、モロッコヘの国際観光客到着数は大幅に回復した。これは、イタリアと英国からの旅行者は減少したものの、フランス(対前年比17%増)、ドイツ(同35%増)などからの旅行者が増えたことによる。

・ 西部アフリカは、国際観光客到着数(対前年比4.3%増)では東部アフリカに次いで伸び率第2位、国際観光収入では伸び率第3位の地域である。到着数のアフリカ全体に占めるシェアは、前年に引き続き8%強であった。

・ 中部アフリカは、国際観光客到着数は大幅にダウンしたが、国際観光収入は逆に増加した。

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