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国際観光概観

WORLD TOURISM

ORGANlZATION

1996年概況

 

世界の概況(暫定値)

 

・ 経済・社会環境の改善により、1996年の国際観光は順調に伸びた。外国旅行支出は、消費者の購買力の向上により高い水準を維持した。しかし、一方で、旅行者は高い品質と支出額に見合った価値をさらに求めるようになり、旅行内容や目的地を決定する際に品質や価値の高さが大きな要素となる傾向がさらに強まった。

・ 大部分の国においてインフレが低く抑えられた。また、主要通貨の大幅な為替変動に助けられ、世界全体ではインフレを伴わない持続的な経済成長が見られたが、個々の観光目的地を見るとインフレの影響を受けた国もある。

・ 1996年の国際観光は、世界全体で国際観光客到着数、国際観光収入とも順調に伸びた。到着数は対前年比4.5%増の5億9,200万人で過去最高を記録し、観光収入は同7.6%増の4,230億米ドルに達した。また、国際民間航空機関(ICAO)の発表によれば、1996年の国際航空旅客数も対前年伸び率8%と、同じように好調な伸びを示した。

・ 西暦2010年までの間は、国際観光は、到着数、実質観光支出とも年率4%あるいはそれより若干高い着実な伸びが予想されるが、それを可能にする要因として以下の2つが挙げられる。

(1) 先進国で、比較的短期の外国旅行を複数回行う旅行者が増えると予測される。その結果、国際観光客到着数が増え、また、短期間の旅行では長期間の旅行より一日の支出額が多い傾向にあるため、国際観光収入も増えると予測される。

(2) 開発途上国からの外国旅行者(特に観光旅行者)が増えると予測される。

・ 国際観光は、長距離旅行、域内旅行とも着実に伸びるものと予想される。

・ 最も高い伸び率が予想されるのは東アジア・太平洋地域からの外国旅行者で、これに中東、南アジア、アフリカからの外国旅行者が続く。米州および欧州からの外国旅行者の伸び率は世界平均をわずかながら下回るものと予想される。

 

 

 

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