未婚男女者においても同様の形態が見られるが、学生ほどの旅行日数は、取れず、安く、近く、短い(案近短)に多く見られます。特に学生旅行の場合は日本経済の景気にも左右され親が支出するため今年の春休みの期間は少々落ち込んでいます。
3 では、日本人の今後の海外旅行には何が重要か?
□ 日本人の生活様式の変化の旅行形態への反映
日本は海に囲まれた国であり、国境が海上にしかありません。海外旅行の一般的交通機関は航空が基本となり、他は船舶(観光クルーズ船を含む)が少々となります。
日本人が気軽に海外旅行に出掛けるようになった背景は経済的ゆとりの他に、生活様式にもとくに戦後古来の伝統的な生活から西洋化された便利な生活へと変わってきたことも大きいものと思われます。
・ ホテル、ベッドの生活への慣れ
・ 食事、東西料理への嗜好多様化
・ 海外情報の収集の容易化(テレビ、雑誌、新聞、ラジオ)
□ マスメディアの影響
特にテレビの影響は大きく、ドキュメンタリーやクイズ番組、東西文化歴史講座等、マスメディアが日本人に与える影響は大きなものがあります。
このマスメディアの影響力は、一度日本人の心理に不安を与える事件や事故が報道された時のダメージの大きさについても言えることです。
□ 観光客に対する安全対策の重要性
エジプトを例にとると、多くの人を魅了してやまない古代遺跡に恵まれたこの国は、100年〜150年も前から多くの観光客を西洋から受け入れてきました。
しかしながら、一般の日本人がエジプトに興味を持ちはじめたのは近年に入ってここ7〜8年前からです。その理由は、中東戦争や交通上の問題などで、言わば遠い国として日本のマスメディアのプラス面の題材になって来なかったことによります。
しかし数年前よりテレビでこの素晴らしい、古代文明の謎を秘めた観光地が紹介され始めると、日本人も大いに関心を持ち、年々エジプトへの渡航者が増加、1996年には、約95,000人の観光客が訪れることになりました。
そもそも観光とは元来不要不急のものであるため、いったん観光客に不安を与えるような出来事が生じると、海の潮が引いたようにその地に行かなくなります。
まさに、このような情況により、目下エジプトのような素晴らしい観光地を訪れる日本人が不幸な事件の発生によって激減しているのは、大変残念なことです。