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1.58 : 1.0という格差がある。

? 産業

自治区の産業としては石油工業と紡織工業のウエイトが大きく、農牧産物などがこれに続く。

タリム盆地、トルファン、ジュンガルで油田開発が行われている。1990年頃より大慶油田(黒龍江省)、勝利油田(山東省)を上回る基本建設投資を行っている。タリム盆地の原始埋蔵量は約200億トン、可採埋蔵量は約20億トンと推定されている。これが開発されると大慶油田を上回る年に7,500〜10,000万トンが生産可能といわれる。同地域の油田開発にとり原油の輸送がネックとなっており、輸送インフラ改善を図っている。

蘭州〜ウルムチまでの蘭新鉄道は輸送力増強の為に複線化した。蘭新鉄道からトルファンで分岐した南疆鉄道(1981年開通、単線)がコルラで終端(しゅうたん)となっている。なおコルラから先、カシュガルまでの鉄道延長工事も実施されている。コルラには、石油精製コンビナートが1998年に完成する予定である。

? 辺境(国境)貿易

新疆は周辺諸国と5,391?の国境線で接している。1988年に「東進西出、双向開放」の国の辺境貿易の戦略のもと、中央アジアとの交易が拡大した。1992年6月にはウルムチから阿拉山口(アラシャンコー)を経てカザフスタンのアルマータ(アルマトイ)へ国際列車が開通し、阿拉山口に辺民互市(面積21.6m2)が完成した。辺境貿易の総額は1991年に9,400万ドルに達し、新疆ウイグル自治区の全貿易額の20%を占めるようになった。

現代のシルクロード交易・辺境貿易が辺境の各省・自治区にもたらした効果として次のような事項があげられる。

1) 辺境貿易に関連する各産業が市場経済化され、従事する人々の間に商品経済の意識が培養されてきた

2) 辺境貿易地点を中心にホテル・観光(辺境跨国旅游)などのサービス業、小売業、運輸、通信、金融などの第3次産業が発展してきた

3) 辺境貿易から徴収される営業税、所得税などの増加により、地方政府の財政が潤い、その重要性が高まった

4) 少数民族を含む辺境住民の生活水準が向上し、「温飽」(なんとか食っていける状況)から「小康」(まずまずの状況)になった。新疆ウイグル自治区の1人当たりの国内生産額は現に陜西省や甘粛省より高い

5) 周辺諸国との友好・平和に寄与している

 

4. 新疆ウイグル白治区の観光

 

(1) 新疆ウイグル自治区旅游局の指導思想(発展、開発の方針)

? 国の『国民経済・社会発展の「九五」計画と2010長期目標』、国務院が許可した「西北地区の経済計画」、自治区の「改革開放による経済発展の加速決定策」の主旨に基づいて、観光発展を行う。

? 観光業を先導産業として、優先的に発展をさせる戦略を図る。

? 観光資源の開発と経営、管理において閉鎖的な観念を取り除き、地方の文化、民族、風

 

 

 

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