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はしがき

 

本調査事業は、平成9年度日本財団から補助金を受けて、(財)アジア太平洋観光交流センターが実施したものです。

観光開発を進め、観光振興を図ることの重要性は外貨の獲得、雇用の促進、地域開発等の観点から特に開発途上国においては経済の活性化の柱の一つとして、認識されていることは言うまでもありません。

そのような中で、旧ソ連から独立したウズベキスタン、トルクメニスタン、カザフスタン、キルギス等の中央アジアに位置する国々を貫くシルクロードは、中国を経て、我が国の奈良にその文化伝来の道としての東の終着点を有し、また中国から西へは中近東の国々を経てローマに達する多様な歴史文化、民族、風景等に彩られた大きな観光発展の潜在力を持つ地域として注目を集めています。

世界観光機関(WTO)がシルクロード諸国の要請に応じて、国連教育科学文化機関(UNESCO)と共同で、1994年10月にウズベキスタンのサマルカンドにおいて、最初のシルクロード・プロジェクトの会合を持ち、採択した「サマルカンド宣言」は、このようなシルクロード地域をその文化的歴史的遺産及び自然環境を保存し、活用することによる観光振興及び観光開発をめざしたものと解釈できます。

アジア太平洋諸国からの国際貢献の期待に応えて国際観光交流の推進に寄与することを目的とする当センターは、「シルクロード等観光開発途上国地域の観光交流促進調査事業」を行うこととし、学識経験者、観光関係団体、地方公共団体等の実務者からなる「シルクロード観光交流促進委員会」を設置しています。同委員会は、調査団を現地に派遣し、シルクロード関係諸国間にまたがる観光交流促進のあり方、各国の交通運輸手段整備及び歴史的観光資源の有効な活用方法等を調査することを目的としています。

本報告書は、当センターが(財)国際観光開発研究センターの協力を得て調査を実施し、その結果を纏めたものです。

終わりにあたり、この調査の実施にご協力を頂きました運輸省運輸政策局観光部企画課、中国国家族游局を始め関係者各位に厚く御礼申し上げます。

 

平成10年3月

財団法人 アジア太平洋観光交流センター

理事長 山下哲郎

 

 

 

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