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(8) 出場車両・人員

指揮隊(指令車)      1台 2人

特別救助隊(救助工作車)  1台 4人

救急隊(救急車)       1台 3人

支援隊(ポンプ車)       1台 5人

 

3 現場到着時の状況

ジャンボフェリー甲板後方右壁面に、事故車両のトラクター部が運転席側と接触して停止している状態であった。また、事故トレーラーの移動防止の為、左側から他の大型トレーラーが、牽引ワイヤーで車両を固定していた。

要救助者は、事故車両とフェリー壁面間に立った状態で、左腕を運転席ドアーに挟まれて脱出不能であり、先着の救急隊員により酸素吸入の処置が行われていた。意識状態は呼びかけに頭を振って返答するのみであった。

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4 活動状況

特別救助隊は、事故車両自走防止のため、甲板員に各車輪に車輪止め作業を命じ、現場状況を観察した結果、車両外からの救出は救助スペースが確保できず極めて困難な状況であったので、続いて助手席側から観察すると、ドアとボデーの間に要救助者の左腕が挟まっているが、大型油圧スプレッダーを使用できる救助スペースの有ることが確認できた。

直ちに支援ポンプ車隊員と協力し、隊員2人にて要救助者の転倒防止の確保と、救急隊員の酸素吸入処置と並行しながら、隊員2人が助手席から大型スプレッダーを使用して左腕が挟まっている部分の隙間を拡張して、左腕を外側の隊員が抜き、上部へ要救助者を引き上げ救急隊に引き渡し救助活動を完了した。

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おわりに

本事例の救助活動に当たり、事故原因が日々の慣れにより確認等を怠った結果、複数の悪条件が一時に集中し、また人間の緊迫究極時の行動は他人事でなく、我々消防職員も教訓とし今後ますます複雑多様化する各種災害に向かって安全管理を徹底し、市民の負託に応えるため日々訓練等を積重ね万全を期したい。

(繁田明確)

 

予防・広報

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1 地域の沿革と概要

当消防本部は、政令指定により昭和49年4月に5町(若松町、上五島町、新魚目町、

 

 

 

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