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る私立病院に病院側受信装置を設置しました。

 

おわりに

現在のところ、救急救命士の不足、医療機関側の体制の問題から24時間体制が確保されていませんが、早期完全実施への整備を進めております。また、病院内における研修マニュアル策定等の課題が山積しておりますが、住民の負託に応える救急体制を確立するため、努力していきたいと思います。

(野村 誠)

 

予防・広報

安心して生活できる地域社会づくり

祁答院地区消防組合消防本部(鹿児島)

 

はじめに

当消防組合は、鹿児島県の北西部に位置し、宮之城町、鶴田町、薩摩町、祁答院町の4町で構成され、管内面積は、386.97k?u、人口は約33,000人である。

北は紫尾山連峰を境に出水市、大口市、東は起伏する丘陵を隔てて姶良郡、西は東郷町、南は入来町に接している。

管内中央部を流れる川内川は延長138km、流域面積1,636k?uに及ぶ南九州第一の大河で、鮎の漁場としても有名であり、元旦の泳ぎ初め、夏の筏下り等町民にも親しまれている。その他、宮之城温泉、紫尾温泉、蘭牟田温泉など温泉地としても古くから知られ、さらに九州一の高さ(117.5m)を誇る鶴田ダム、県立自然公園いむた池、観音滝公園など観光客も多く、四季を通じて自然の景観に恵まれている。

当消防組合の消防体制は、1本部・1署で消防長以下35人の職員で、少数精鋭を基本とし、「明るく活力ある消防づくり」、「親しみと頼りになる消防づくり」、「消防団との連携体制の強化」を消防組合の三本の柱として、安心して生活できる地域社会づくりを目指して消防業務を推進している。

 

1 鹿児島県北西部地震

平成9年3月26日(水)17時31分鹿児島県北西部を中心にマグニチュード6.3震度5強の内陸地震が発生した。ほとんどの住民はこのクラスの地震は初めての体験で不安と恐怖におびえた。屋根瓦の落下、崖崩れ、ブロック塀の倒壊、道路の亀裂・陥没等パニック状態であった。

消防署の災害優先電話は通じていたが、他の電話回線はほとんど不通状態となり、災害通報は救急出動要請が2件あった他は出動要請はなかった。そのことが逆に壊滅的な被害があったのではと不気味であった。

その後も震度5強及び震度5弱各1回を含め毎日のように余震は続いたが、4月5日に震度5弱を記録して以来震度5以上の余震は無く、落ち着きを取り戻しつつあった。

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本震から約1箇月半経過し、断続的に発生する余震におびえながらも復興に向けて賢明に努力している中、5月13日(火)14時38分マグニチュード6.2震度5強の地震が発生した。

多くの専門家が「余震は順調に減衰している。」との見方が強まっていた。また、ほとんどの住民も「地震はもうおさまった。」と思っていた矢先の揺れである。

再び余震も順調におさまったため災害警戒本部は5月23日に解散したが、広報活動を中心に住民の安全確保に努力している。

(1) 災害と広報

 

 

 

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