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ご挨拶

 

国際相撲連盟

会長 笹井 章

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第6回の世界相撲選手権大会が、外務省、文部省、(財)日本オリンピック委員会、(財)日本相撲協会、テレビ朝日のご後援と、日本財団の特別ご協賛を得て、ここ両国国技館において盛大に開催されますことを心よりお慶び申し上げます。

ご高承の通り相撲は、長い歴史と伝統をもち、人々が手塩にかけて慈しみ育ててきたわが国の文化遺産であります。単に勝ち負けを争うゲームではなく、礼の重視と心・技・体の練磨によって社会有用の人間形成をめざす武道としての相撲が、今日、広く世界に普及し、数多くの人々に愛好されるまでになりましたことを誠に喜ばしく存じております。お陰様で相撲は、毎年世界の世界5大陸6地域でそれぞれ大陸相撲選手権大会を開催するところまで来ております。この大陸相撲選手権大会は本大会への出場権を賭けて争われますので、大会の盛会以上に選手各人の相撲に取り組む意欲と伎倆の向上に大きく貢献しているものと思われます。

一方、国際相撲連盟加盟国は本年10月末日をもって78ヶ国になりました。世界の多種多様の民族が相撲という一つの競技を通して共に苦しみ共に笑うとき、そこに民族の垣根を越えた真の理解と友情が生まれ、国際平和の維持向上に寄与するものと確信しております。こうした努力の積重ねが、近い将来「相撲のオリンピック種目入り」を実施する礎になることと思います。

本日開催の世界相撲選手権大会は、文字通り精神練磨を重ね、厳しい予選を通り抜けてきた各国代表選手によって本年度の世界チャンピオンを競う権威ある大会であります。従って本大会に参加の選手諸君は、大会の意義を十分理解し、国家の期待と栄誉を担って、平素鍛えた心・技・体を存分に発揮され、正々堂々の戦いを進めて頂くよう希望します。

終わりに臨み、大会の開催と運営にご尽力賜りました大会役員並びに関係者の皆様に深甚なる感謝の意を表し、併せて本大会の成功とますますの発展を祈念してご挨拶といたします。

 

 

 

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