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1月17日は「防災とボランティアの日」

消防庁防災課

 

1 阪神・淡路大震災における住民とボランティアの活躍

平成7年1月の阪神・淡路大震災では、火災、家屋の倒壊などが同時多発的に起こりました。消防・警察などの防災機関も被災したり、交通渋滞などの障害により十分な活動ができませんでした。今回の震災は防災機関の能力を超えた災害であったといえるでしょう。

こうした中、多くの人が倒壊した家屋から助け出されましたが、その多くは家族や近隣の人々によって助けられたものでした。また、迫りくる火勢に対し住民がバケツリレーを行い、延焼を防いだ地域もありました。

このように大規模災害においては、「自分たちの地域は自分たちで守る」という自主的な防災活動が重要になってきます。

また、発災直後から多くのボランティアが被災地に駆けつけ、救援物資の仕分け、避難所の運営、炊き出し、医療介護、運送、通訳等様々な分野で活躍しました。その数は、兵庫県の調べでは、発災直後から1ヶ月間で1日あたり約2万人、4月18日までの3ヶ月間で延べ117万人が活動していたものと推計されています。ボランティアのめざましい活躍により「ボランティア元年」といわれています。

2「防災とボランティアの日」、「防災とボランティア週間」の制定

このような動きを受け、政府、地方公共団体等防災関係諸機関を始め、広く国民が、災害時におけるボランティア活動及び自主的な防災活動についての認識を深めるとともに、災害への備えの充実強化を図ることを目的として、平成7年12月15日閣議了解により毎年1月17日を「防災とボランティアの日」、1月15日から1月21日までを「防災とボランティア週間」とすることになりました。

3 諸行事の実施の推進

防災に関するメモリアルデーとしては、9月1日の「防災の日」がありますが、この日は、関東大震災が発生した日であり、多くの地方公共団体で消防、警察から地域の住民も含めて大規模な防災訓練が実施されています。

これに対し、「防災とボランティアの日」は、住民一人ひとりの防災に対する認識を深めることを主眼としているといえます。

各地方公共団体においては、「防災とボランティア週間」に防災意識を高めるため、一人ひとりの備えや防災活動、ボランティア活動を促進するための講演会、研修会、展示会、訓練等の行事を積極的に実施されるようお願いします。

なお、「防災とボランティア週間」は1月15日から始まりますが、この趣旨には、成人の日であるこの日に、新成人に対し一人前の社会人としての自覚を促すとともに、自らの身を守る備えを講じることはもちろん、コミュニティ活動の中で身近な人たちを守り、さらにはボランティアとして社会に貢献することを期待するということも含まれています。成人の日には、「防災とボランティア週間」の趣旨を紹介するとともに、両者をタイアップした行事を検討してみてはいかがでしょうか。

 

 

 

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