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?-1-4 油回収装置予備試験

 

海上に流出した油の防除は、海象・気象、油の風化状況、油の挙動等により適所適材の防除資機材を投入し効率よく作業を進めていかなければならない。このためには、各種防除資機材の特性を把握しておく必要がある。

この特性に関する調査研究は少なく、メーカーもユーザーも事故に遭遇して始めて資機材の性能等を知る得るというのが実状であり、適所適材の防除資機材を投入するという基本がなされていない。

一方、防除資機材の実海域でのデータが少なく、かつ、信頼性も乏しい。また、水槽試験は限られた条件下での性能値等であり、これらの性能値で他の機材との比較するには、それぞれ条件が異なっており評価することが難しい。

そこで本調査研究では、油回収装置の特性を明らかにすることを目的として次年度以降各種油回収装置の性能試験を実施することとしており、この試験の事前調査として実機による予備試験を実施した。

(1) 試験水槽

・ 名称 : 海上災害防止センター訓練水槽
・ 長さ : 12m
・ 幅  :  8m
・ 深さ :  4m
・ 造 波 装 置 : 有 り
・ 消 波 装 置 : 有 り
・ 散 布 装 置 : な し
・ 水流発生装置 : な し

水槽の概要を図1-38に示す。

(2) 供試油回収装置

供試体は付着式油回収装置を選定した。供試体の概要を図1-39に示す。

(3) 試験方法

1) 図1-38「試験水槽概要図」に示すように、訓練水槽内にB型オイルフェンスを三角形の形に展張した。

2) 展張したオイルフェンス内に油回収装置を設置した。設置状況を写真1-15に示す。

3) 駆動用パワーパック、油圧ホース、回収用ホース、回収用タンク、人員の配置等の状況を確認し、平水中で油回収装置を起動した。

4) 平水での調査終了後、波浪中での試験を行った。

5) 波浪中では波長−波高をそれぞれ8m−0.24m(波傾斜1/33)としたが、油回収機の挙動等を観察し、波高を適宜変化させた。

(4) 試験結果

 

 

 

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