まえがき
この報告書は、海上災害防止センターが海上防災に関する調査研究の一環として、日本財団から事業補助金を受けて、平成9年度に実施した「油防除資機材の性能の評価及び再評価に関する調査研究」の結果を取りまとめたものである。
本調査研究は、油防除資機材の性能評価を行い、官民防災関係者のコンセンサス作りを行うことにより、新技術開発に資するとともに、油防除作業の際に有効な情報をマニュアル化し、事故発生時には官民防災関係者が有効・適切な対応を取ることが可能とするものであり、本年度は3か年計画の初年度である。
平成9年1月日本海において発生したロシア船籍タンカー「ナホトカ」号事故においては、各種油防除資機材を使用し防除作業に当たったが、これら資機材の問題点等が日を追って明らかにされている。また、同年7月東京湾においてパナマ船籍原油タンカー「ダイヤモンドグレース」号の底触による船体破損のため、大量の原油流出事故が発生し、ここでも油防除資機材の使用方法等について様々な指摘がなされている。
このため、本調査研究では本来の計画に加え、これらの油流出事故で指摘された問題点等について一つ一つ分析・検討を行うことが今後のマニュアル作成に重要であると考え、事業を進めることとした。
この調査研究の実施に当たり、ご協力をいただきました関係機関、関係各位に深く感謝の意を表します。
平成10年3月
海上災害防止センター