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の情報を持って自分の病院の感染に関しての評価をしていくことになります。私どもでいまMRSA培養陽性患者と,ICUにおけるCVライン由来の菌血症,それから針刺し事故をサーベランスしています。MRSAについては,新たに陽性になった患者情報を集めて,毎月末科別に発生率を出していきます。そうすると,私どもの病院の発生率はこのくらいだったらアベレージで,これ以上は下げられない部分がどうしても出てきます。発生がこれ以上高くなったときにどういう対策をするかということです。

もう一つがサーベランスの定義を使ったものですが,表1はある時期CVラインのサーベランスをして,数を数えたわけです。そうしたら,対ライン数で発生率が出ます。米国の全国の発生率と比べてたいへん高いということがわかりました。医師は,この時点でCVラインも末梢と同じように3日ごとに取り替えようという対策をとりましたが,前と後を見ても発生率はよくなりません。そこでバリアプリコーションをきちんとやったわけです(表2)。効果は大きいということがわかりました。こういったことがはっきりするならば,病院の中の手順を変えていくということにつながっていくわけです。

隔離についてですが,日本はすべて厳重隔離をします。MRSAもO-157も同じ隔離を指示されます。米国での隔離の変遷では1983年のCDCガイドライン後,血液,体液の扱いについて変わってきたことによって隔離方法も変化してきました。ユニバーサルプリコーシヨンというのが1987年に示されました。どの患者さんも感染症の可能性があるということを前提として,すべての人の血液と特定の体液の取り扱いに注意を払うというものが出されました。

もう一つ,感染管理のナースが考えたことは,耐性菌から患者さんを守るためにどうしたらいいかということで,ボディ・サブスタンス・

 

 

 

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