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病状の上手な聞き出し方とその意味の解釈

これまでお話ししたような基本的事項に加えて,TNS独自のキャリアを活かさなければなりません。

たとえば,「平熱は36度5分」と思い込みすぎてはいないでしょうか。平熱は一人一人違います。「熱はありますか?」と尋ねます。「36度8分です」と聞くと,「熱はなし」とカルテに書き込むかもしれません。ところが,平熱が35度8分であれば,36度8分というのは,当人には熱っぽく感じられて当然です。老人にはそういう例がよく見られます。そういう場合は,「平熱の体温ほどのくらいですか?」と聞くべきでしょう。37度以下を無熱性の肺炎というのは間違っています。聖路加国際病院の看護記録の体温表からも37度の赤いラインは消すべきだと,私はいつもナースに言っています。

熱が出るという訴えで考慮しなければならないものに甲状腺機能亢進症があります。

「動悸はしませんか?」「体重は減ってきませんか?」という質問にいずれも該当するのであれば甲状腺機能亢進症の疑いがありますから,甲状腺を専門とする医師に受診を勧めます。更年期症状として患者さんが熱感を訴えることもあります。

また,手の先,頬,耳などが局所的に赤みを帯びることがありますが,これは毛細血管が拡張しているからで,この部分は熱感があります。私が肺炎で入院したときのことです。ナースに熱っぽいと

 

 

 

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