日本財団 図書館


電話相談と生活習慣病

高血圧症,糖尿病,痛風などのいわゆる生活習慣病は,いったん罹りますと完治することはありません。

たとえば高血圧症と診断されて降圧剤を処方されたとします。患者さんは,現行の健康保険では,毎月受診をしなければこの薬をもらうことができません。

ところが,生活習慣病といわれるものは毎日の生活のしかたによってコントロールすべきものであって,それには患者さんの生活のプロフィールをしっかり聴取して,その内容をチェックし,これまでの間違った生活習慣を洗い出し,正しい方向に向けるように指導することが一番大切なのです。生活習慣を正す主体はあくまでも患者さん当人です。医師やナースなどのプロフェッショナルは,患者さんが自分で測定した血圧値や尿糖,尿タンパク検査のデータを電話で報告を受ければ,それだけでもかなり適切な指示を出すことができます。初診でしっかりした診断がつき,その上で適切な生活指導がなされれば,患者には頻回の再診は不必要なのです。糖尿病は3カ月に一度,痛風は6カ月に一度か二度の受診で十分ですし,甲状腺機能亢進症でも診断さえついていれば何もわざわざ毎月病院へ行って血液を採る必要はないのです。そうすれば,現在の病院外来やクリニックでの再来患者のうち,半分近くは来院の必要性が減るかもしれません。

アメリカでは,初診では少なくとも20〜40分,再診で10〜20分は

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION