(4)安全のためのチェックポイント
(大型船、ここが泣きどころ)
小型船の運転者は自船の大きさや運転性能を基準に操舵しがち。ところが大型船には、小型船と違った数々の“泣き所”があります。それが小型船にとってみれば危険な落とし穴になる場合もしばしば。改めて大型船舶の泣き所を再認識してみますと…。
?死角が大きい
船が大きくなるほど船首前方の死角が大に。全長200m以上の巨大タンカーでは、数百mにも及ぶ。
?変針が鈍重
転舵し新しい針路になるまで長さの2倍を要します。全長150mの1万t級の船で、舵角35度で30度回頭するのに30秒、船は約300mも前進。
?緊急停止が困難
緊急停止の場合、貨物船で船の長さの数倍(700m〜1,500m)、巨大船では船の長さの15倍(3,000m)以上も前進します。
?吸引作用がある
並行状態で船が接近すると互いに吸引・反発します。たとえ自船が小さくても相手船が長い場合は注意が必要。
?自船の針路保持が精一杯
大型船が狭い水道などを航行している時は海潮流、風などの障害を受け、自船の針路保持に精一杯。他船を避航する余裕はありません。