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1. 日本と南極

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2. 南極とは

地球に残された最後の宝庫、或いは聖地と言われる南極の広さは? 大陸を覆っている氷の厚さは? 寒さはどの程度か? 風の強さはどの位か? 自然現象は? どんな生物や動物が生きているのか?

他の講師も、話しを進めて行かれる上で必ずお話しになると思いますが、聴かれる方が、必ずしも一貫して4回お聴きになる方ばかりとは思えませんので、「南極」とはどの様な所か、概略お話ししましょう。

 

3. 「宗谷」南極行動について

第一次の東京〜シンガポールから… 正式の表の記録には載ってない裏の挿話と言いましょうか、乗組員・隊員のより生活に密着した南極行を取り上げましょう。

JAPAN ANTARCTIC RESEARCH EXPEDITION 日本南極地域観測隊 の行動は観測なのか探検なのか、我々乗組員は探検の意識が強かったように思いますが、観測隊の方は夫々担当分野ごとに見解が別れていたようですが、矢張り自然の猛威の前に晒されると、なる程と思い知らされましたが、皆どのように感じたでしょうか?

日本を出港して約一週間目、砕氷の障害になるため「ローリングチョック」をつけていなかった「宗谷」は、ゆらりゆらりと揺れながら今や正に南支那海に入らんとしたその時、発生した台風2つの挟撃にあい、反転〜避航〜また反転と、前甲板に積んであったセスナ「さちかぜ」の梱包が一部破壊される荒天に遭遇しました。そこで観測隊に新設されたのが「船酔科」海(船)には弱い山男 涙と笑いの男の物語が生まれました。

「宗谷」には乗組員・隊員だけではなく、樺太犬も22頭乗っていました。その他にカナリヤもいましたが、縁起が良いと言われる三毛猫が一匹いました。出港後 名無しのままでは可愛そう?と言う事で、南極新聞社が猫の名前を募集しました。多数の応募によりつけられた名は…「タケシ」。はて この名前の出所・由来は…むさい男達のその後の対応は…。

海の事を少しでもご存じの方ならお判り頂けると思いますが、船上では水は極めて大事なもので、節水は古来船乗りの鉄則であり習慣であります。しかし、慣れぬ隊員達にとっては正に苦痛以外の、なにものでもありませんでした。まして洗濯にもキツイ制限が課せられるや、「さらば、これしか無い」と決断した、正に男の世界ならではの対応とは?

 

 

 

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