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4-2-1 海洋科学の研究分野

海洋学という旧来の分野くくりの名のもとには,海洋底地質学とか海底資源学(マンガン/ジュールやメタンハイドレート等)などの分野は含まれていなかったし,大洋底拡大説とかその延長上に位置するプレート・テクトニクスやプリューム・テクトエクスという発想は存在しなかった。

海洋科学というように包含分野の拡大による分野増とその周辺,関連科学とのつながりによって,海洋科学は従来にも増して複合科学,広域科学,超領域科学の色彩を強めることになった,という特徴が,分野整理学によって判り易くなった。

海洋科学に関わる周辺科学諸分野の基幹分野名を列挙するだけでも,海洋科学の内容の多様性の高さがわかる(順不同)。

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等々となる。このような発想から,海洋科学としてくくることのできる分野を拾ってってみて,不思議なことを発見できる。それは,当然あってよい筈のネーミングがなされていない“分野”が見出され,新称が必要となるケースである。例えば,

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等は,大変ポピュラーな分野であり得るのに,今の所分野として成立していない,ということになる。分野の空白域の発掘である。後者の場合水中考古学という,上り一般的な名称の分野があって,海の中の考古学の意で用いられていることが多く,むしろネーミングミスとでも言えようか。

いずれにせよ,海洋科学としてまとまりの分野群を形成させる新分野はまだまだ多く見出せそうである。全体として学問の体系化をめざす必要がよくうかがえる。

 

 

 

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