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(2)学問分野の色の配置

三次元空間での位置を把握しやすくするために,色を活用する。現在のバージョンでは,三次元空間を8象限に分割し,各象限にことなる色を設定している。各学問分野は,その座標が含まれる象限の色を持ったパネルとして描画されるため,パネルの色によって似通った学問分野の大まかなかたまりを把握しやすくなっている。また,同一象限内および二つの象限の境界では,学問分野間の距離がそれらの学問分野の性質が似ている度合を示すことになる。

利用者はマウス操作によって任意の学問分野を選択することができ,選択された学問分野は球からパネルに変化する。これにより,注目している学問分野やその関連分野を容易に認識することができる。

 

(3)学問分野間のリンク

二つの学問分野に直接の関連(リンク)がある場合,それらのパネルはシナプスと呼ばれる線で結ばれる。シナプスが多く出ている学問分野は,中心的な分野になっていることが分かる。また,シナプスの数によって文字パネルの大きさを変化させ中心的な学問分野は視覚的に捉えやすくなっている。また,注目する学問分野に直接リンクしている学問分野だけを取り出して表示することも可能となっている。

 

(4)コンピュータグラフィックスとしての工夫

現在の立体目次プログラムは,日本シリコングラフィックス・クレイ株式会社のグラフィックワークステーションO2で動作する。

立体目次プログラム実行画面は,立体目次が表示される領域,注目している分野の関連分野をリスト表示する領域,各種操作のためのメニュー領域の三つに大きく分割されている。

 

1)描画の動的なコントロール

学問分野の画像は,マウスを使って直観的に任意の方向から見ることができる。静止画では学問分野の三次元的な配置を把握するのは困難であるが,画像を動かしながらみると把握しやすくなる。また,描画中のある学問分野に興味が出れば,その学問分野を中心に置いて近づいたり,他の学問分野とのリンクを確認したりすることができる。

立体目次閲覧の目的に合わせて二つの操作モードが用意されている。一つは,ちょうど地球儀を見るように立体目次を閲覧する方法で,立体目次を回転させたり平行移動させたりすることができる。もう一つは,立体目次空間内に自分がいて自由に飛び回るような方法で,利用者は目的の項目に近付いたり,目的の項目から回りの項目を眺めたりすることができる。

 

2)学問分野の位置と表示

現在の興味の中心となる学問分野は,通常,三次元空間の中心である原点においているが,その時々の興味によって中心にある学問分野を変更することもできる。また,学問分野の名称を書いたパネルは,画像を動かしても常に正面に向いたままになる。これにより,パネルが斜めになったり,裏返ったりして名称が読めなくなることはない。

 

3)立体目次の認識の補助

描画されている学問分野の座標値および学問分野間の距離の目安になるように,座標軸及び小さい半径の経線と大きい半径の経線を同時に表示することができ,さらに,立体目次の空間的な塊りを把握しやすくするために,各象限に半透明な8分の1の球体を置くこともできる。また,大気効果を真似て,遠くにあるものを暗く表示することによって立体目次空間に奥行き感を与えることもできる。

 

 

 

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