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台湾では日本の春闘のような仕組みはなく、公務員賃金の上昇が民間の賃金決定の1つの目安になっているようである。

労働争議は1996年には2,659件発生し、前年より17.1%増加し、最高を記録した。しかし、争議参加人員は1993年に前年比3.19倍に急増した後、1994年30,526人、1995年27,342人、1996年21,654人と減少している。

外国人労働者問題が台湾で注目されるようになったのは1986年後半からで、賃金の上昇といわゆる3K労働に対する敬遠から、違法に入国して労働に従事する外国人が増加していた。そこで1989年からブルーカラー外国人労働者を合法化した。なお、外国人労働者は、タイ、フィリピン、マレーシア、インドネシアの4カ国からだけが認められており、うち、タイが60%弱、フィリピンが36%強を占めている。

 

5 教育

小学校(国民小学)6年、中学校(国民中学)3年、高校(高級中学)3年となっており、義務教育は小・中の9年間となっている。専科学校があり、中学卒入学の5年制(ただし、医学科は6年)、高校卒進学の3年制(ただし、医学科は4〜5年)、職業高校卒進学の2年制に分かれている。大学は4年制(師範・法律系・建築系5年、医科7年、歯科6年。)で、修士、博士は共に最低2年となっている。また、技術教育充実のため、5年制、2年制、3年制の技術学院システムが樹立されている。

学期は9月に始まり、8月に終了する。義務教育以上への進学率は1995年度の時点で89.2%、高等教育への進学率は56.0%になっている。15歳以上の人口の識字率は1994年の時点で93.7%となっている。国民が教育に支出する費用がGNPに占める割合は7.1%で、その割合は拡大傾向にある。

なお、台湾には兵役制度があり、男子は20歳になると2年間の兵役に就かなければならない。ただし、大学に入学した者は卒業まで兵役義務が延期される。

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