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蒋経国はその晩年、民主化を進め、1987年に戒厳令を解除し、出版・集会の自由などが認められた。1988年、蒋経国の死去に伴い、李登輝が総統を継承し、1990年に国民大会により第8代総統に選出された。そして1996年3月、中華民国始まって以来の総統民選選挙が行われ、李登輝が第9代総統に選出された。

 

2 地理的条件

台湾は中国大陸に東南海上、東は太平洋に臨み、南はバシー海峡が境となっている。西は福建と150キロ、東北は琉球群島に600キロ、南はフィリピンと350キロ離れている。台湾は、本島、澎湖列島など79の島から構成されている。

面積は約35,981km2(九州の面積の約8割強、日本の面積の約9.5%)、うち本島が約35,855km2を占めている。本島の南北の長さは約377キロ、東西の幅は最も広いところで約142キロとなっている。本島の海岸線の長さは約1,240キロで、湾曲は少なく、港湾も多くない。

総面積のうち、山地が68.7%を占め、平地は31.3%にしか過ぎない。本島の地形は紡錘状で、高い山々は東西部に位置し、西部に僅かに比較的広い平原があるのみとなっている。東部には断崖絶壁があり、連続する丘陵には若干の台地、盆地と沖積地がある。

気候は亜熱帯に属するが、北回帰線が本島中部を通過し、熱帯性を帯びている。北部と南部では雨季、乾期が逆になっている。南部と北部の温度の差はあまりない。中部、西部には高い山々があるため、気温の変化が大きい。平地の夏は長く、冬は短い。台北における月間の平均気温は、最も高い7月で29.6度、最も低い1月で16.3度となっている。

台湾の雨量は中部山地で年間3,000ミリ程度、東部沿岸各地で1,500〜2,000ミリ程度となっている。季節風は、東北季節風が10月から3月まで、極めて強く吹き、このため東北郡の風が吹く地帯は冬季が雨季である。一方、西南季節風は5月から9月に吹くが、風力は東北季節風ほど強くなく、夏季から秋季までが台風の季節となる。

 

3 人口等

1996年末の台湾の人口は2,147万人となっており、うち本省人(1945年8月15日以前から台湾に本籍を設定して定住した人々のこと)は85%、外省人(同日以後に中国大陸から新たに台湾に定住した人々のこと)が13%、マレー・ポリネシア系に属する先住民などが2%となっている。1995年の人口増加率は0.84%、1996年はゼロとなっている。65歳以上の老齢者が総人口に占める割合は7%強で、1994年時点の平均寿命は男子71.80歳、女子77.72歳となっている。人口密度は1平方キロメートル当たり598人で、人口1,000万人以上の国(地域)ではバングラディシュに次ぐ高密度になっている。

人口の都市集中化が進んでおり、特に台北市と高雄市の人口が急増している。主な市の1996年初頭の人口は、台北市263万人、高雄市143万人、台中市85万人、台南市71万人となっている。

 

 

 

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