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第7章 研修

 

1 研修の仕組み

タイ政府は国家経済・社会開発計画において人材育成の重要性を唱えており、同計画の主旨を踏まえて公務員研修政策を立てている。現在の公務員研修政策は、第8次国家経済・社会開発計画の下、1996年に策定されたものである。

公務員法において、上司は部下育成の責務を有していること、職員が昇進する前にはオリエンテーションを実施すること、専門能力の向上のため留学制度を含む研修の機会があることなどが定められている。

各省・各局の業務を遂行するにあたって必要な知識の付与や技術習得のための研修や当該機関に勤務する職員のための監督者研修・オリエンテーションは、各省・各局により実施され、公務員としての識見や管理能力養成のために全省・全局横断的に行う研修は、中央研修機関によって実施される。

 

2 中央研修機関

中央研修機関として、人事委員会の下に公務研修所(Civil Service Training Institute)が置かれている。同研修所は1980年に設立され、その役割等は以下のようになっている。

(1) 公務研修所の役割

・ 長期、短期の研修政策について内閣に提案すること。

・ 政府機関に共通の研修システム、モデルを確立すること。

・ 政府各機関に研修計画を作成するよう指導すること。

・ 人事管理や倫理、初任研修などに関し、全省庁研修を実施すること。

・ 研修カリキュラム、研修教材などを開発すること。

・ タイ政府奨学金による奨学生に関し、カウンセリング、留学先決定、オリエンテーション、フォローアップなどを行うこと。

(2)公務研修所の組織

公務研修所の内部組織及びその主な職務は以下のとおり。同研修所には約130名の職員が勤務している。なお、同研修所には宿泊施設はなく、合宿研修は実施していない。

・ 総務課(内部事務を掌理)

・ 海外研修担当部(海外研修を担当)

・ 研修調整センター(研修政策を立案)

 

 

 

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