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気候はモンスーン性熱帯気候に属し、高温・多湿。5月〜9月にかけてが雨季になっている。年間平均雨量は約1,600ミリ。3月、4月に最も平均気温が高く、12月、1月が最も低い。年平均気温は28.3度で、各月の平均気温の幅は、23.7度〜32.5度。

 

3 人口等

1994年の人口は5,850万人(フランスとほぼ同規模)で、人口増加率は1.3%となっている。首都バンコクの人口は約550万人。民族的にはタイ族(約75%)の他、中国系(約14%)、マレー系、カンボディア系、ヴィエトナム系、インド系などの民族が居住している。なお、1994年における平均寿命は69歳。

人口の95%が仏教徒で、他にイスラム教、キリスト教、ヒンドゥー教などが信仰の対象となっている。仏教寺院数約3万、僧侶約29万人で、国王は仏教徒と定められており、仏教が国教のような観を呈しているが、宗教の自由は保障されており、国王は、憲法により、人々が信仰するすべての宗教の守護者となっている。

タイの公用語はタイ語で、ほとんど100%のタイ人がタイ語を話すことができる。タイ語は音声から生まれてきた言語で、ほとんどの単語が単音節になっている。多音節の単語の多くは、クメール語、パリ語、サンスクリット語から借用している。方言は地方において話されている。

タイ語以外の言語としては、中国語、マレー語が一部の人々に話されており、英語は小学校の必須科目となっており、バンコクやその他の主要都市において通じる。

 

4 経済・労働

1994年のGDPは、3兆6,020億バーツ(当時の為替レートで、約1,430億ドル)で、輸出額が1兆1,025億バーツ、輸入額が1兆3,430億バーツ。1994年のGDP成長率は8.7%で、1980-1990年の平均成長率は7.6%、1990-1994年の平均成長率は8.2%となっている。1984-1994年の物価上昇率は年率5.0%。

世界銀行の調査によると、タイの1人当たりのGNPは1994年時点では2,410ドルで(日本は同時点で34,630ドル)、世界で51番目に位置していた。なお、タイの通貨はバーツであり、1997年7月にタイに通貨危機が起こった。その結果、以前1バーツ=約4円であったものが、同年末には1バーツ=3円程度まで下落した。

タイの主な産業は、農業(米、ゴム、とうもろこし、タピオカ、砂糖)、農産加工業、繊維、電気機械であり、輸出品目もこれらの産業を中心とした製品が多い。輸入品目は、機械、電気機械、鉄鋼、化学品、自動車などが多い。輸出相手国は、米国、日本(約17%)、シンガポール、香港、ドイツの順に額が多く、輸入相手国は、日本(約30%)、米国、シンガボール、ドイツ、台湾の順になっている。

 

 

 

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